馬毛島関連ニュース
馬毛島基地計画 「海底調査許可は違法」 取り消し求めた訴訟 漁業者が取り下げ 工期前倒し終了「漁業被害訴え成果」
2/22(火) 9:36配信
西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画に伴う防衛省のボーリング調査を鹿児島県が許可したのは違法だとして、許可取り消しを求めた訴訟と執行停止を鹿児島地裁に申し立てた地元漁業者10人は21日、いずれも取り下げると明らかにした。調査が1月末に終了し「これ以上裁判を続けることは不毛」と判断した。19日付で取り下げ書を発送した。 【写真】【図】馬毛島のボーリング調査予定場所
港湾施設建設に向け2020年12月に始めた調査は、しけで県の許可した期限内に終わらず、同省が再調査を申請。県は今年5月末までを期限に再び許可し、昨年9月に再開した。途中、波の影響を受けにくい大型機材に変更し作業が加速。1月28日に予定地点の海底掘削が終わった。
訴えは「原告適格がない」と昨年5月に却下された訴訟に続き2度目。調査の監視船やブイが漁の妨げになっていると指摘していた。
原告側代理人の西谷祐亮弁護士は「当初から機材を工夫するなどしていたらもっと早く終えることができたのでは」と指摘。
「漁業被害を訴え続けたことで工期を前倒しでき、裁判には一定の成果があった。馬毛島周辺は漁業者が生計を立てるのに重要な漁場で今後も島と漁場を守る活動を続ける」と話した。
県河川課は「取り下げ書が届いていないため現時点でコメントできない」とした。
漁業者は、東京地裁への再調査の差し止めを求める仮処分申し立ても取り下げた。14日付。
西之表市、馬毛島活用の事業費見送り 新年度当初予算案 小中学生の体験活動 市長「防衛省了解なら計上」
2/22(火) 12:35配信
西之表市は21日、総額109億5500万円の2022年度一般会計当初予算案を発表した。21年度当初比2.8%増。過去2年連続で当初予算に計上していた馬毛島活用事業は「現段階で防衛省から入島の確約が得られていない」として盛り込まなかった。 【写真】【地図】馬毛島の旧市道や小学校跡
国が米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地の「整備地」としている馬毛島の活用事業は、小中学生の体験活動や学校跡地に数日滞在できる拠点を整備する。
八板俊輔市長は「実施したい気持ちは変わらない。防衛省の了解が得られれば年度途中に計上する」と説明した。
21年度当初予算では事業費391万円を計上した。現時点で馬毛島を紹介するパネル展示にとどまり、375万円が執行できていない。ただ、市は「市史編さんに伴う調査の年度内実施に向けて防衛省と協議している」とし、3月補正予算案では減額しない方針。
22年度当初予算案では、新型コロナウイルスの影響に苦しむ1次産業や商工業の支援に取り組む。漁業振興として4600万円を計上し、競り値に2割上乗せするなど漁業者の所得向上を目指す。
歳入のうち、市税は21年度当初比0.9%減の14億816万円とする一方、ふるさと納税の増額などが見込まれることから自主財源比率は1.6ポイント増えて23.5%となった。22年度末の市債残高は5億3000万円減の90億400万円、財政調整基金は1億9204万円減の12億6352万円を見込む。
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