馬毛島 2021年7月26日

馬毛島

今朝の馬毛島です。偶然、馬毛島の岳之腰の前を船が航行していました。珍しい風景に出会えました。

以下は南日本新聞社さんのHPより

自衛隊基地整備 マゲシカが生存の危機  馬毛島の大半が計画の対象 専門家「生息域が激減。致命的に」 鹿児島

7/26(月) 21:00配信

南日本新聞

 米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備が計画されている西之表市馬毛島で、ニホンジカ亜種のマゲシカの生存が危ぶまれている。専門家は「島のほぼ全域が計画の対象で、このままでは生息域が激減する」と危惧。森林と草地の確保、継続的な個体調査など保全策の徹底を防衛省に求めている。

 防衛省は馬毛島の85%超に当たる約718ヘクタールに関し、滑走路2本や訓練施設の整備といった「事業実施区域」として計画する。環境影響評価(アセスメント)では、調査項目や手法を示す「方法書」でマゲシカを「重要な種」に挙げた。影響の軽減や保全策を検討するとしたものの、専門家の懸念は尽きない。

■環境悪化  「既にマゲシカは危機的状況に立たされている」。30年以上にわたって研究を続ける北海道大学の立澤史郎助教(61)=保全生態学=はこう訴える。

 今春、10年ぶりに島上空をヘリコプターで飛び、目視調査した。推定個体数は約280頭から約320頭に増えたとする一方、「裸地が目立ち、生息環境は悪化しているように感じた」という。

 主な要因に、島の大半を所有していた開発会社が20年前に着手した採石や伐採、造成の影響を挙げる。生息域が狭まり個体が密集すれば、森林や草地の回復は追いつかない。立澤助教は「基地整備でさらに追い詰められると、致命的になる」と警鐘を鳴らす。

■調査不足  日本哺乳類学会も基地整備による森林の消失や生息域の分断を懸念。「マゲシカが確実に存続するには、事業実施区域内に十分な生息環境を確保する必要がある」などとしたアセスの方法書への意見書を提出した。取りまとめた岐阜大学の淺野玄准教授(51)=野生動物保護管理=は「これまで十分調査されていないため、保全策を考える上で必要なデータがそろっていない」と指摘する。

 実際、大規模開発が始まった2001年以降、地権者の許可が下りず、島に上陸しての詳細な生態調査は誰もできていない。現状の群れの数や規模、生息環境など不明な点が多く、アセス調査の内容は重要性を増す。

 方法書に対する意見は、国民から計557通が九州防衛局熊本防衛支局に寄せられ、西之表市をはじめ関係5市町も鹿児島県に提出した。これらを勘案し、塩田康一知事は29日までに「知事意見」を述べることになっている。

【マゲシカ】環境省レッドリストで、「馬毛島のニホンジカ」として「絶滅のおそれのある地域個体群」に分類される。ニホンジカに顕著な特徴として、雄が草地、雌と幼獣は森林に分かれて暮らす。国内では、馬毛島以外にこの生態を観察できる場所はないことが希少性を高めている。

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