馬毛島 2021年5月26日

馬毛島

今朝の馬毛島です。ぼんやりと曇り空でした。今朝は鳥もいません。

以下は南日本新聞さんホームページより

馬毛島騒音デモ飛行「判断材料に」「実態は違う」 鹿児島県知事と西之表市長、異なる所感 防衛省、2回目実施

5/26(水) 8:15配信

南日本新聞

 西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備計画を進める防衛省は25日、航空自衛隊新田原基地(宮崎県)所属のF15戦闘機による2回目のデモ飛行を島上空で行い、訓練時の騒音の程度を住民に示した。

 いずれも視察した鹿児島県の塩田康一知事は「住民の判断材料になった」と強調した一方、同市の八板俊輔市長は「実態とは違う」と指摘し、受け止めが異なった。

 平日の11日(予備日12日)に予定した1回目が悪天候でできず、振り替えた。午後3時半~4時40分の日中に6機、午後6~7時すぎの日没前後に2機が飛んだ。

 日中は8経路を1周ずつ、日没前後は4経路を各2周した。高度は非公表。西之表市の天気は晴れ。日中は西北西の風平均5.4メートル、日没前後は西の風平均5.9メートル。

 防衛省によると、滑走路を甲板に見立て着陸後すぐに再加速し離陸するタッチ・アンド・ゴーの音量に近づけるため、島上空を通過時にエンジン出力を上げた。同省職員が西之表市、中種子町の計8地点で騒音を測り、後日結果を公表する。前回測定した南種子、屋久島、南大隅の3町と三島村は今回外した。

 鹿児島県は熊毛支庁(同市)屋上で音量を計測。日中の飛行前が47~55デシベルで最大値は60.4デシベル、日没前後は飛行前46~50デシベル、最大値67.0デシベルだった。

 1回目を行った日曜の16日に続き、塩田知事は支庁から視察し「住民も平日と休日を比較できたと思う」と意義を語った。米軍機でなく自衛隊機、タッチ・アンド・ゴーもしないデモ飛行に「今できる範囲でやってもらった」と理解を示した。

 前回と同様、日中の飛行を市役所から視察した八板市長は「実際の訓練の音や質を想像するには不足している。実施したことに意味があるが、これだけで判断できない」と指摘。市民がFCLPに近い音を実感できる他の方法がないか、同省と協議するとした。

〈米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)とは〉滑走路の短い空母での離着艦技量を向上、維持するため、空母艦載機が地上の滑走路を甲板に見立て行う。着陸直後に再加速して離陸するタッチ・アンド・ゴーを日中から未明に繰り返す。米軍厚木基地(神奈川県)で行っていたが、深刻な騒音被害を受け、1991年からは硫黄島(東京都)で暫定実施している。西之表市馬毛島を恒久的な訓練候補地として検討することで日米両政府が2011年6月に合意した。

馬毛島デモ飛行 騒音ストレス、恐怖感 高齢者や子どもへの影響不安視 基地に期待、一方でイメージ悪化を懸念 種子島

機影を追う特別養護老人ホーム「わかさ園」の入所者と職員=25日午後4時半ごろ、西之表市西之表

機影を追う特別養護老人ホーム「わかさ園」の入所者と職員=25日午後4時半ごろ、西之表市西之表拡大 

 西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転に伴う自衛隊基地整備を目指す防衛省による25日の戦闘機デモ飛行。

 2回目とあって地元の関心低下が懸念される中、高齢者や子どもら弱者を守る住民は注意深く見守った。地域や人によって飛行音の受け止め方が異なるものの、実際に米軍機が飛んだ時との違いを不安視する声は尽きなかった。

 「ゴーって音が聞こえるよ」「結構大きな音だね」。九州防衛局種子島連絡所が入る種子島合同庁舎に近い西之表市西之表の特別養護老人ホーム「わかさ園」では、入所者や職員約10人が空を見上げながらつぶやいた。

 西寄りの風が吹いたこともあり、前回の16日より戦闘機音が聞こえたという。園には80人が暮らし、平均年齢は93歳。「気になるほどではない」(80歳女性)「聞き慣れないから気になる」(93歳女性)。入所者の感想はさまざまだった。

 園長(77)は雇用創出や災害対応など馬毛島への基地整備による恩恵に期待を寄せる。一方で「もっと大きな音で振動もあれば、入所者はストレスで体調を崩しかねない。特に夜間の音が響く」と不安をのぞかせる。

 海沿いに位置する中種子町納官の介護事業所「おたつめたつ」。所長(61)は「デモ飛行程度の音であれば日常生活への影響はない」としながら懸念も示す。「戦闘機が種子島上空を飛ぶことは本当にないのか。大きな音が日常的に響けば、恐怖を感じる高齢者もいるだろう」

 平日にあった25日のデモ飛行は、日常生活の中で戦闘機の音がどう聞こえるかを住民に感じてもらう意味合いを持つ。

 馬毛島との距離が約8キロと最も近い西之表市住吉地区。0~6歳児34人が通う住吉さくら保育園の園長(42)によると、近くの高台で今回のデモ飛行を見守った一部の園児から「ずっとこの音が聞こえるのは嫌だ、怖い」との声が上がった。

「戦闘機の音で園児の集中力が途切れるのも心配」と園長。「基地ができることで種子島のイメージが変わり、U・Iターン者やその子どもたちが減らなければいいが」と話した。

 保育園の隣には、熊毛地区唯一の精神科があるせいざん病院がある。130の入院病床はほぼいっぱいで、年200人以上の新規患者も受け入れている。副院長(61)は「聞き慣れない音で心身のバランスが崩れ、不眠症を引き起こしかねない」と指摘。「患者を支える家族やスタッフにも騒音の影響が出るのではないか」と語った。

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