馬毛島問題の基礎知識
第71回目はこれです。
いわゆる台湾問題を取り上げてみました。外務省のよくある質問より
問10.台湾に関する日本の立場はどのようなものですか。
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馬毛島基地計画 反対の西之表市長「『地元理解』とは裏腹な進め方。国はフェアじゃない」 再編交付金は「材料示されたら考える」
12/30(木) 8:39配信
防衛省が西之表市馬毛島への米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備計画を加速させている。24日には政府が基地本体の整備費など3183億円を計上した2022年度予算案を閣議決定した。地元首長として「計画に同意できない」と反対の立場を示し続ける八板俊輔市長に、現状の受け止めと今後の対応を聞いた。 【写真】【関連】馬毛島基地整備費に3183億円 予算案に初めて本体工事費盛り込む 防衛相「早期運用開始に必要」
-これまでの国の進め方をどう見ている。
「事を急いでいるように見える。『地元理解を得ながら進める』との言葉とは裏腹だ。以前から、一度立ち止まってほしいと伝えている。課題を整理し、疑問に対する答えを出し、進めることが大事ではないか。基地整備を歓迎する人ももっと説明を、と言っている。特に施設整備のデメリットを明らかにしてほしい。見せたい部分だけを見せていくのはフェアじゃない」
-防衛省は11月、環境影響評価(アセス)の結果を待たずに基地本体整備に直結する仮設プラント工事の入札を公告した。
「国は馬毛島への施設整備はまだ決定していないとしている。アセス中で、工事をするか決まっていないのに、滑走路などの整備に用いるコンクリートを製造する施設を造るのは問題ではないか。意見は聞くとしながら『自分がルールだ』と言っているように映る」
-22年度予算案には巨額の整備費も盛り込まれた。
「あくまで予算確保のための計上だとの説明だった。アセスで整備の影響について調査中で判断材料が示されていない中、性急すぎる。地元理解が得られない限り執行してはならない」
-今後、どう対応する。
「一方的で性急な手順を今後も踏むのであれば、指摘し続ける。馬毛島に関連する問題を広く鹿児島県民や国民に知ってもらうことも重要だと思う」
-国は西之表市、中種子、南種子両町を一括して、基地整備に伴う米軍再編交付金の対象とする方針だ。
「具体的な額や交付時期について説明を受けていない。材料が示された時点で考える。考え得るタイミングはアセスの評価書が出されたときだが、どんな内容が出てくるか分からない」
「再編交付金は既存施設への米軍の訓練や部隊移転で生じる影響に対し支払う制度。受け取る自治体に基地を造るかどうかの選択肢はない。馬毛島は真っさらな所に基地を造る計画で、本来なら自治体に選択の余地があるはずだ。現制度をそのまま当てはめるのはおかしい。だから防衛省とのやり取りもかみ合わない。国会で議論すべき問題だ」
-一連の手続きの中止を訴え続けているが、計画は止まらない。
「国防は国の専管事項だが、地方自治体はより身近なところで住民の生命財産を守り、国と補完し合う関係だ。だから国政に関わることでも、首長として意見を言わないといけない」
「馬毛島は単なる無人島ではなく地域住民と深く関わる大切な場所だ。その島に米軍の訓練施設を造ることは、日本でも例を見ない、真っさらな土地を外国の軍に提供することにつながる。その重要性を県民、国民全体で考えてほしい」
-計画への賛否を巡り住民間の溝が深まっている。
「行政が議論の場を設けたとしても、相手を責めるような雰囲気になり、なかなか難しいのではないか。私自身、求めがあればどこへでも出掛けて、計画の現状や市長としての考えを話したいと思っている」
やいた・しゅんすけ氏 1953年、西之表市生まれ。早稲田大学卒。2012年に朝日新聞社を早期退職して帰郷。再選挙となった17年市長選で初当選。今年1月の市長選で馬毛島計画容認派候補を144票差で破り再選した。
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