今日の馬毛島です。
以下は南日本新聞社さんのHPより
西之表市の馬毛島活用 暗礁 自衛隊基地計画 国・開発会社、立ち入り認めず 体験活動や市史編さん滞る
8/2(月) 21:30配信
西之表市の馬毛島活用計画が暗礁に乗り上げている。島の大部分を所有する国や開発会社の了解を得られず、立ち入れないからだ。小中高生の体験活動をはじめとする無人島ならではの自然や歴史・文化に焦点を当てた利活用策を探る目的だが、国の米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画を前に身動きが取れずにいる。 【写真】地図・馬毛島
市は4月、防衛省に2021年度の活動案を提出し協力を求めた。立ち入りの根拠に、旧馬毛島小中学校(1996年廃校)の敷地など市有地約8900平方メートルと市道の存在を挙げる。ただいずれも地権者の土地を通る必要があり、7月30日時点で許可が出ていない。 ■市長公約 馬毛島の活用は、八板俊輔市長が初当選した2017年市長選で掲げた公約の一つだ。 3年前に始まった体験活動は夏休みの目玉でもある。葉山港から高坊港まで2.5キロを徒歩で往復し、自然や元島民の暮らしに触れるのが売り。八板市長は「日程調整中」と繰り返すものの、市職員は「周知や募集時間もない。今年は厳しい」と話す。 市長肝いりの市史編さんもままならない。19年度からの5カ年計画で総額約9000万円の一大事業ながら、馬毛島の項目が抜け落ちている。現地調査がほぼ手つかずだからだ。 唯一実現したのは1月。わずか5日間に限られ、調査地点を絞らざるを得なかった。「戦艦大和の乗員の遺体が流れ着き、埋めた」との元島民らの証言もあるが、検証できていない。希望する通年での全島調査にほど遠く、担当者は「馬毛島に触れない市史になってしまう」と危惧する。
■温度差 鹿児島県は7月、職員や有識者による調査団を派遣した。基地整備計画に伴い、防衛省が手続きを進める環境影響評価の調査手法などを示した「方法書」への知事意見をまとめるためだ。ウミガメの産卵場所や国天然記念物オカヤドカリの生息地などを同省職員らの案内で約3時間見て回った。 県と市への異なる対応に「歯がゆさを感じる」と市職員。防衛省は「市の要望を聞いているが、正式な申請書を受けていない」と説明。その上で「国有財産の適正管理のため、立ち入りは基本的に認めない。活動目的や内容、安全確保、財産管理に影響がないことなどの確認が取れれば、職員が同行し認めることはある」とした。 塩田康一知事は7月30日の定例会見で「タイミングもあるのかもしれないが、(西之表市の立ち入りが)できるようになればいい」と事態の改善を期待。防衛省への働き掛けについては「市と国の関係がある。状況や実現していない理由などを聞いて考えたい」と慎重な姿勢を見せている。
【西之表市の馬毛島活用計画】2017年4月に若手や中堅職員を中心に検討を始め、12月に「活用の方向性」を策定した。(1)宇宙関連事業の展開(2)自然保護区の設定と自然、文化関係の調査機関設置(3)体験活動の実施(4)土地購入や活動に必要な資金を確保する合同会社創設の検討-が柱。21年度一般会計当初予算で、調査拠点とする小中学校跡への簡易宿泊施設整備、小中高生の体験活動に391万円を計上した。
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